約三週間の読書感想文

* 約三週間の読書感想文 *

<2004年12月13日>

姫野カオルコ「サイケ」。
古きよき時代を懐古した感じの小説。
短編集で、一作目以外は全て不快でした。

土屋賢二「ソクラテスの口説き方」。
さすが教授。相変わらずの面白さ。
むしろ変わらないスタイルって言うのがすごい。

香山暁子「ミステリー作家朝比奈眠子1 眠り姫は殺し屋研究中」。
洒落抜きで眠子可愛い。
このシリーズは全部読破したいです(なかなか集まらないんですがっ)。

西澤保彦著「なつこ、孤島に囚われ。」。
以前「両性具有迷宮」を読んでこの話の下ネタにうんざりしてたけど、
やっぱりこれもうんざり(主人公森奈津子の扱いは、作家の森奈津子本人にとってアレでいいんでしょうか)。
あと大オチが驚愕。死に切れねー。

重松清著「送り火」。
日常に潜む小恐怖。
それにしても家族のあり方を書かせたらこの人の右に出る人はいないと思う。なのにこの人が愛妻日記・・・。

今日はこの本読みたいなシリーズ
「遠くへ行きたい日に読む本」「寝る前に読む本」「誰かを好きになった日に読む本」。
テーマごとにいろんな作家の話が入っていて、有島武郎が児童向けの話を書いているのが新鮮でした。
全巻そろうのはいつの日か。
「誰かを好きに〜」は某サイトの小説が「The End of The World」を髣髴させるので読んだ。
ズッコケ三人組書いた人がこんな核戦争後の話を書くとは。
一緒に読んだ「電話がなっている」は何回でも苦しくなる。
実はもう再度どころではなくて、初めて読んだ小学時代からゆうに30回は超えている気がする。

<2004年12月22日>

奥田英朗「空中ブランコ」。
面白かった。伊良部先生に会ってみたいです。
この先生の人物描写を見ているとスラムダンクの安西先生が浮かびます。

ぱはば「ぼくはあなたを知らない」。
ぼくと君とあなたとあたし?のおりなすショートストーリー。
狂気的な世界観があって、むちゃくちゃ痺れた。好きだ。

真野朋子「純愛ラプソディー・竹内まりやを聴きながら」。
惜しい。
イメージソングに短編をつけるという手法は私もするんで勉強になったんですが、
型にはまりすぎた人物とオチの読める話でとても惜しい。
でも収録のインディアン・サマーは良かった。

清水義範「ムイミダス」。
辞典エッセイというかなんと言うか。
ちょこちょこ雑学の知識になるので為になるといえば、そうなる。
「ふるさとは遠きにありて思ふもの」が有名になりすぎてことわざだとか、
「近くば寄って目にも見よ」だと思っている人がいる、の文章は笑いました。

中島丈博「マダム・りん子の事件帖」。
牡丹と薔薇の脚本家の小説。期待せずにいられようか、いやない!
あらすじは割愛しますがテーブルひっくり返して「出てって!」とか場面場面が面白かった。

<2004年12月28日>

※積読が少なかったため、3冊だけです。
重松清「かっぽん屋」
初期の短編集、とのこと。
冒頭からエロ!夏のスイカ畑で昼間から、ああ!おえんでそんなこと!
「こんな大きゅうして、いやらしい子・・・」の台詞にドキドキしました。
私は女なので、「少年の初めての経験」が未知のものなので、それゆえに憧れます。
その他の短編集はあまりお得意の「家族愛」がテーマでなくて、普通の話に思えた(初期だから仕方ないけど)。

ゲッツ板谷「板谷バカ三代」
話自体は「どうだ、こんなバカがいるんだぞう」っていうエッセイなのですが、
多分、西原理恵子の挿絵を目当てに読んだ気がする。
というかたいがいの本は西原の挿絵を先に見るし
(例外なのは清水義範とタッグ組んでいるやつ。一緒に読んでます)。
西原茸ほしいなあ。

小川竜生「極道ソクラテス」
ハードボイルドを気取って
「やくざもの(殺せ!姉ちゃん殺したみたいに俺を殺せ!の台詞がインパクトがあった)」を読んで以来、
チェックしているんですが、これはちょっと泣いた。
一人狼のソクラテス(イタリアの宣教師とのハーフ)の硬派な考え方とか筋の通ったところが好きです。


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