桐生操の本は、とにかく残酷描写がきつくて読んでいて痛くなる。
「本当は恐ろしいグリム童話」で少女時代の夢を壊され、「ラ・トラヴィアータ」であんまりにも過酷な拷問なのを読んで、この人の本は二度と読まないと思っていました。
でも、手に取って一気に読んでしまいました。
なんつうか、だって復讐劇なんだもの!キャー復讐!
帯のコピーが「父を罠にかけたのは誰!?復讐を誓い、彼女は美しく咲き誇った―。」!ステキー!
場所はおフランス。
濡れ衣着せられたパパの為にママも自殺し、たった二人となった姉のヴェラと弟(当時8歳と5歳)。
美貌を武器に男をたらしこんで娘を壁に埋め込むとかの復讐を成功させるヴェラが、たまらなく素敵でした。他に株価暴落させて一文無しにするとか。
それと下積み(子供時代)のどうしようもない罪の話があればあるほど、この復讐が楽しいわけで、ああ、面白いなあこれは!
また、台詞の節々がいいんだ!
「ベッドのなかで百万回愛を囁いたからといって、それが真実であるという保証はないのよ」
「素晴らしい思いつきではなくて?実の娘を抱くなんて体験をした人間は、世の中にそう多くはないわ。これであなたはもう人間ではなくなった。けだものになったのよ」
「どうしてお父さまは殺され、あなたはこうして生きているの?あなたはその問いに答えられて?」
最後、復讐相手に情がうつった弟に捨てられ、置いていかれるヴェラは悲しかったです。
それにしてもつくづく復讐劇に出てくる女は別嬪さんだなあ。
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