<2005年10月2日> 夢枕獏著「ものいふ髑髏」。 ホラーだ。ものすごく面白かった。 読んでいるときテレビで「世界の中心で愛を叫ぶ」をかけていたんですが、全く頭に入ってきませんでしたよ。話が面白かったから!泣くどころじゃなかったよ。 タイトルが気になったので「抱きあい心中」から読了。「二股の猫」もよかったけど、あとがき読んでまた「びくいしとい」を」読み返しました。猟奇的ですごかった。 内館牧子著「別れてよかった」。 エッセイ。この人の「追わない、すがらない、叫ばない」の三か条は、まあ、人それぞれだからノーコメントで。相撲の話しすぎなのもノーコメントで。 複数の人著「浮世絵春画を読む(上下)」。 何でか図書館で借りてしまった本。 春画ですからエロいです。でも浮世絵でエロ。昔の人はこれで興奮したのか…。絵の横に小話がついてあったりして面白い。あと男性器が腕みたいに太い。おぼこが本番で泣きます。そういった誇張はよくないと思います。あと、どうでもいいんだけど無修正です。グロ。でもいろんな人の回折による浮世絵の回折、考察は面白かったです。エロなのに粋。 下半身裸で爪を切る女を木の上から覗き、下に落ちた男の図とか、くすっと来ました。 <2005年10月15日> 古川薫著「叫雲われを過ぐ」。 赤根武人の話。死後の世界でいろんな証人を呼び出して赤根の名誉回復を!という話でした。 読んでいて思い出したんですが、そういえばこの人の描写する高杉は一人称「僕」でしたね。なまらかわええ。でも台詞「僕は君を大島の百姓と言った事を反省しているよ」は九分九厘ないと思います。高杉は高い身分に生まれたお坊ちゃまで、赤根は頑張っても所詮百姓上がりです。プライドの高い高杉が和解するなんて、ばかな。短編集で、後の2話は割愛します。 永田義直著「子どもに読んで聞かせる日本のむかし話」。 地方が偏ってはいるけれど、たくさんの昔話が入っていました。で、各話の最後に「とっぴんぱらりのぷう」「これでいちごさけた」「そうじゃそうな、候えばくばく」とか書いてあるのですが、非常に謎。何かのマジナイでしょうか。 川上弘美著「古道具 中野商店」。 いろんな人の、つかず離れずな恋愛感情と日常を淡々と書いてみました、みたいな感じの話。中野さんの彼女の書いたいやらしい文章というのが、これまた。 話は置いといて「眉をしかめる」という表現は間違ってますよね?眉はひそめるもので、しかめるのは顔でしょう。しかめ面。川上弘美はこれでいいのか。 夢枕獏+天野喜孝著「鬼譚草紙」 二人の絵と文のコラボ。鬼好きにはたまりませんなあ(鬼狂い)。 一話目の「姫様が狐に獲りつかれ、助けに来たお坊さんが恋をして〜」からすごく面白かった。鬼になった坊さんと姫様の会話もよかったし「身がひとつで背中がふたつ、手足が四本ずつある獣」という描写がなんとも素敵でした。60すぎても童貞の坊主が泣くのは笑いました。12−13頁の絵はやらしかった。これだけでもぜひぜひ。 |