「ゆらゆら橋から」

池永陽「ゆらゆら橋から」読みました。

大まかに言うと一人の男の女性遍歴を書いた小説。
一話目の先生との淡いロマンスと二話目がとても好き。台詞フェチなんで、帯にもなってある「ゆらゆら揺れるのは〜」も素敵で好きです。
ただ、四話から急に共感も出来ず…面白くなかったです。包帯の話も落ちが読めてしまいました。
細かい話はさておき、いつ死ぬか分からない不死の病の加代子と主人公健司の
強烈な初恋がとてもよくて、心打たれて泣いてしまいました。

「空気感染したらあかんから、健ちゃん、1メートル離れて」と気遣う加代子。
一つの林檎を二人で食べ、「加代子に感染して死ぬんなら本望や」という健司。
で、結局加代子は死んでしまい、「死にたくても死ねなかった由紀」と出会ったり、
大学生になって女の味を覚えたり、いつのまにか他の女と結婚していたり。
私はどちらかといえば、この加代子との恋を貫いて欲しいなあと思うのだけども、
物語(とか、人生)は続くわけだからそうもいかないんですね。
男は精をばら撒いて女は身ごもるものだものね…。女は海じゃなかったのね…。

実際問題、世の殿方はどうなんでしょう?
好きな女が死んだら次の女へ?それとも一生死んだ女へ?

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