村上龍著「はじめての夜 二度目の夜 最後の夜」を読みました。

そもそも読んだきっかけは69の主人公ヤザキ(というより、むしろ村上龍)が出ていたからなのですが、とても時が流れたのだな、と感じました。と言うより、69を期待してはいけないわけですね。ちょっとだけあのノリを期待していました。
話の内容は中学時代の同級生で初恋の相手であるアオキミチコから電話をもらい、レストランで話をするというもの。彼女が方言なのに自分は標準語、というのが妙です。方言使えばいいのに・・・。都会と田舎の引き合いをしているのでしょうか。まさか故郷を捨てたいんでしょうか。
各章のタイトルが料理名で、食べたことのない名前ばかりなのでイマイチついていけませんでした。なんちゅうか、40歳過ぎたおっさんの自己陶酔のような、でも、それがさまになっているとは思います。そういうスタイルとかポリシーなんだろう。
話の中で「小・中学生時代のヤザキ図」も出てくるのですが、いろいろ体験して大きく育ったんだなあ。そうでないとこんな話かいたり作ったり出来ないんだろうなあ、と、口あけてあほ面した小学生みたいな感想しかいえませんです。
何より私が興奮したのは同じ40歳過ぎのアオキミチコに欲情してベッドインしたくだり。そこは夢中で読みました。
前戯の段階で「笑っちゃだめだ」「目を閉じててくれ、絶対に開けちゃだめだ」「もう何も喋るな」「いいか、喋ったり笑ったりしちゃだめだぞ」とか言うのが、ものすごくツボです。
それにしても、初恋の相手と結ばれることは結局セオリーどおりなかったものの、夜をすごせたというのはうらやましい。

 

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