2月の文学酩酊日誌 2月の文学酩酊日誌

坂口安吾の「坂口安吾(ちくま日本文学全集版)」
  エッセイと物語が一緒に収録されていてお徳。「桜の森の満開の下」の、
  優しい語り口調と悲しい結末が素敵。
  「村のひと騒ぎ」の台詞回しも面白い。
  声に出して読みたい坂口安吾。いかが?

同じく文庫の「白痴」。
  「青鬼の褌を洗う女」などに見る、女の気だるい描写とかが非常に上手い。
  それにしても、あー、私も井沢先生に生死にをかけて口説かれたい(曲解)。
  戦争の描写がとてもリアルで(体験者だから当然なんだけれども)怖かった。
  また、映画版があるとのことで借りてみたけれど、設定のハイカラさについていけず、
  結局途中で眠ってしまった。浅野忠信のヘアスタイルは素敵でしたよ。
  って、そこしか見てなかったんか。

中島らも著「心が雨漏りする日には」。
  うつも怖いけど、躁病の方が怖い気がする。それと、医者は選ばなきゃダメなんですね。

土屋賢二著「簡単に断れない」。
  あいかわらず。本当、安定した笑いでほほえましく読める。
  エッセイもさながらプロフィールの「突血夜★喧慈」の総頭をつとめるという夢を抱きながら自転車通学、にも笑いました。

清水義範著「秘湯中の秘湯」「ビビンパ」。
  取扱説明書調の話やら、本当、そういうパロディに長けていて楽しかった。
  さすがパスティーシュの天才。


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