9月のの文学酩酊日誌

9月の文学酩酊日誌
9月8日
佐藤正午著「恋を数えて」
いわゆるダメ男に振り回されて自分まで駄目になっていく女の話。
でもベッドで歌人の歌の話したりとか、そのあたりは勉強になりました(与謝野晶子の歌は素敵でした)。

同じく「恋売ります」
短編集。表題作と「走る女」がちょっと切なかった。
あとがきの「小説を書く人の恋人になったら、その人の話を読んじゃいけない」っていうのは、なんとなく分かる気がする。作家は自分の身の上から捏造して美化した話を聞かせたりするものだから。のはず。

ロバート・フルガム著「気がついたときには、火のついたベッドに寝ていた」
長いタイトル大好きで買った。フルガム爺さんのエッセイ。素朴な感じのする話ばかりで、会って話を聞いてみたくなりました。この人の名刺欲しーい。
兄のベッピン嫁と、カエルみたいな醜い弟が再婚して幸せに暮らしました…という話はよかった。でもアメリカって再婚前提なんでしょうか。

9月21日
小池真理子著「肉体のファンタジア」
身体の部位についてのエッセイ。「ドクロに鼻がないのは軟骨だから」という話は、初めて知ったので今更感心しました。指にエロを感じるという話が共感できてよかった。

重松清著「舞姫通信」
あー。うーん。難しい、恋人(でもないか)と心中し損ねた少年というのがちょっと太宰治の感じがする。好きじゃないけど。あと脇の女がめちゃくちゃ腹立たしい。勝手に妊娠して!
でも死ぬってなんだろう、生きるってなんだろう、何でしんじゃいけない?というテーマは回答が難しくて作者も「読者任せ」にした気がする。
実はこれ読んでいる最中にその昔、アトピーが酷くて泣いていたとき「何でお母さんは私の前に一人流産せんかったん!?何で私が父(アトピー持ち)の遺伝子強く受けつがなあかんの!」といってしまったことを思い出しました。あの時は本当にごめんなさいお母さん。ごめんなさい。

道満晴明先生(敬称)の「続性本能と水爆戦」
とっても面白かったー。カバー裏も含めて30話!凝縮とはこのこと!ショートショートの漫画で、星新一を漫画化ばするならこの先生を強く支持します。尊敬。
ほろっとさせたり、名台詞が多かったりで大満足です。パロディの元ネタが分からないのが歯がゆい。超知りたい超ユンファ。それと「ホテルジズム」の覆面のルチャ・ドールが某島のですきょんの人に似ていてとっても笑いをかみ殺すのに必死だったのでここで言っておきます。

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