文学酩酊日誌
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文学酩酊日誌<2011年1月17日>
朝井リョウ著「チア男子!!」
一人ひとり(特に最初の7人)がしっかり描写されていたので、ちゃんと読めました。そのため、後半のノートのくだりが感動しました。でも関西人は関西弁丸出しでノート書くかと言うとちょっと…。初心者が集まって大会で優勝を目指す→途中で経験者と喧嘩になる→もっと仲がよくなるという図式は「風が強く吹いている」と、同じ感じがしました。

唯川恵著「病む月」「永遠の途中」「雨心中」
一冊一冊読んだときは面白かったんですが、振り返ってみると男一人のせいで大変な目にあう女主人公たちばかり。その男が、私にはあまり魅力的に思えませんでした…。

若竹七海著「悪いうさぎ」
探偵シリーズ物の途中から読んでしまって後悔しました。この前後も読みたい。

朝倉かすみ著「感応連鎖」
起承転結で言うところの起承転出終わってしまっている感じがしました。どうせなら最初から最後まで節子の話が読みたかった。エリカの能力(人の過去を示すキーワードを口に出す能力)が非現実的すぎる…。

柳原慧著「パーフェクト・プラン」
面白かった。ある程度まではパーフェクト。死人が出てしまったのが悲しかった。

川本三郎著「いまも、君を想う」
いろんな回想に心が暖まるものの、読んでいてとてもつらかった。夫婦の片方が先に死ぬって悲しいな…。

梶尾真治著「この胸いっぱいの愛を」
映画版のノベライズ。いずれ観てみたい。お母さんに会えた話が一番好きです。でもこれ、主人公と老夫婦その他タイムスリップした人はみんな死んでると思ってるんですが、どうでしょうか。母と意見が食い違っています。

町田康著「人間小唄」
言ってることの節々は面白いんですが、物語として最後まで読むとなるとかなり疲れた。復讐はまだ終わらないようでよかった。町田康自身が自分の名義で短歌集出せばいいのにな。

新井素子著「いつか猫になる日まで」
騙された感でいっぱい。この本に頻繁に出てくる「誠、振り向いて。だけど。あたしも、笑って」みたいな文章が嫌いです。自分の中の2011年ワースト本ノミネート。

道尾秀介著「プロムナード」
うさぎの絵本が気になって読みました。この人の作品を他に読んだことがないので、何冊か読んでみたい。

文学酩酊日誌<2011年2月20日>
藤田宜永著「還暦探偵」
面白そうなコピーがついていたので読んだのですが、探偵の話は最後の一作のみ。初めの話に出てきた主人公が探偵になるのかと思って読んでいたら拍子抜けしました。でも「返り咲き」は、よかった。

内館牧子著「あなたはオバサンと呼ばれてる」
肝に銘じたいことばかり。シリアルママが観てみたい。映画のチョイスがちょっと古いので、第二弾も企画してほしい。

柴田よしき著「桃色東京塔」
警察としての日菜子がどうも苦手で(彼が犯人な訳がない!とか、そのあたり)気になりました。でも、前向きな結末でよかった。

池永陽著「化石の愛」
三角関係怖い。心中の生き残りとかもっと読んでみたかった。

西内啓,福吉潤著「コトラーが教えてくれたこと」
勉強目的ではないので、他の読み物と同じ感じで読みました。各キャラが可愛いので、もっと見たい。

若竹七海著「プレゼント」
二人の主人公が最後の話で一緒に出てくるのは、なかなか面白かった。

池井戸潤著「下町ロケット」
初めは分からなくても、途中から面白くなるので人に薦めたい。夢を追って誇り高い中小企業、大賛成です。読んでいて鼻の奥がつんとしました。

古川日出男著「4444」
好きと嫌いで言うと好き、面白いかどうかと言うと、何かちょっと好みじゃない。目次を見るのが一番面白かった。

佐藤多佳子著「聖夜―School and Music」
とても軽く読んだ。母が他の男とくっついたことを許す・許さないはもうちょっと大人になってから考えてもいいと思う。

角田光代著「薄闇シルエット」
主人公の「仕事辞めたら何にも持ってない」焦りが、とてもよくわかるし、このあたりが怖かった。ごっこ遊びの延長で、中心になっていたはずが実は自分が脇役だったと気づくとか…。

姫野カオルコ著「リアル・シンデレラ」
初めはエッセイによく出てきた「家族感」を思いました。登代の話は意表を衝かれました。最後の方はやっと王子様が出てきたのに、悲しすぎる…。

安東能明著「鬼子母神」
主人公も虐待していて、結局それは解決してない感じなので後味が悪かった。

文学酩酊日誌<2011年3月28日>
赤染晶子著「乙女の告白」
アンネの日記を勉強する女学生(乙女達)のあれこれ。難解で興味も持てなくて、何がなんだか。芥川賞ってちょっと分かりづらいのが多い気がします。

酒井順子著「ズルい言葉」
日常に潜むおかしな表現についてのエッセイ。「本当ー?」の使い方など、色々気をつけたい。
今回は2冊。あとはドカベンばかり読んでいます。

文学酩酊日誌<2011年4月21日>
伊坂幸太郎著「マリアビートル」「オーデュボンの祈り」「アヒルと鴨のコインロッカー」
「マリア〜」は、殺し屋は殺し屋を引き寄せるんだなぁなどと思いながら読む。果物・木村・天道虫パートはいいんだけれど、王子パートはあまり読みたくない…。映像化しやすそうなので、七尾の新幹線から下りられない部分が見てみたい。「オーデュボン〜」は、デビュー作とのことで色々初々しかった。喋る案山子の設定が好きじゃない。「アヒルと〜」ウィキペディアで見た「どんでん返し」が何なのか、2年後と現在の行ったりきたりで知りたいことが多すぎて一気に読みました。

重松清著「星をつくった男 阿久悠と、その時代」
阿久悠の生い立ちの話。時代の流れがよく分かる。あまり知らない歌ばかり出てくるので、ぜひとも聞きたくなりました。

飲茶著「哲学的な何か、あと科学とか」
哲学的な部分がとても面白く、入門するには最適でした。でもドラえもんの話は悪意しか感じません。人は心の入れ物なのかとかね。

村山由佳著「アダルト・エデュケーション」
アダルトな短編集。弟の彼女と云々の話が、よかった。会話の部分などはWEB小説のような文体だったのが残念(「や、ちょっと、」「……」とか)。エロいのが書きたいなら18禁指定入れてエロ書けよ、とも思う。何で一般書で発行するかね。

門井慶喜著「おさがしの本は」
硬い文章と柔らかい文章が中途半端に交じっていて、ちょっと読みづらかった。本探しの仕事があるのかと、驚きました。主人公とその敵が何かBLくさい。

文学酩酊日誌<2011年5月25日>
熊谷達也著「銀狼王」
猟師対狼なので、主人公の独り言の多さが目立った。でも「だっちゃ」だったので、興奮したのはここだけの話。

川島誠著「海辺でロング・ディスタンス」
ひとつひとつの切り取った箇所は光ってていいんですが全体で見ると何だったか、あまりよくわかりません。「電話がなっている」が好きすぎて、他の話は好きじゃないことに気づきました。

横溝正史著「犬神家の一族」
「これが後の悲劇を生むのだった」など、もったいぶった文章があるので途中でやめる事ができず、一気に読みました。面白かったー。戦争さえなければこんなことにならなかったろうに。映画版は石坂浩二版を見ました。こっちもよかった。

綿谷りさ著「勝手にふるえてろ」
好きすぎて人を神聖化してしまうのもあるあるな気がします。自分を好きといってくれる人にどう対応していいか分からないが何か生々しい。主人公が行き過ぎたブスでもずば抜けた美人でもないので、贅沢な悩みに思える。

白石一文著「砂の上のあなた」
主人公を通して作者がいいたいことを言っている感じが強かった。綺麗にまとめているけれど結局は父親のせいで!と思わずにいられなかった。嫌いだ。

文学酩酊日誌<2011年6月17日>
横溝正史著「金田一耕助の新冒険」「金田一耕助の帰還」
短編集。本文中に「金田一耕助は頭を掻く癖があるのだ。悪い癖だね」という文があってお気に入り。帰還の方には「金田一耕助誕生記」もついていて、大変味わい深い。金田一可愛い。

永森裕二、吉田聡史、各務慎一著「犬飼さんちの犬」
ドラマが先なのか小説が先なのか。話の流れはドラマとほとんど同じでした。でも表紙やトビラに挿入されているサモエドの写真が大変可愛い。いいなぁサモエド。

三浦しをん著「小暮荘物語」
おんぼろな小暮荘を舞台にいろんな人の短編。旦那の浮気の話はいまいちでした。それにしても、神崎と女子大生がくっつけばいいのになー。

佐川光晴著「おれのおばさん」「金色のゆりかご」
主人公はもちろん、その周りもずいぶんヘビー。なおかつ途中で終わった感があります。余談ですが、帯に児玉清さんの文章が載ってて胸が詰まりました。
後者は登場人物を借りて作者が「伝えたいこと」を言っているだけにしか思えなくて、どうも面白くなかった。女子高生が妊娠して子供生んだのはいいんだけど盗られてしまって云々。テーマは重たくて、男って勝手だなあとか、女ももうちょっと身を守りなさいよ、とか思った。

西内啓著「東大の先生が実践する「ロジカル」暗記術」
学生時代に読みたかった。自分のやっていた暗記の仕方も一理あったのでよかった。

豊福きこう著「ドカベン、打率7割5分の苦闘」
データ集。あまり詳しい野球用語知らないので、覚えた頃に読み返したい。裏表紙の明訓4人組がいい感じ。大概微笑ははぶられてちょっとかわいそう。

村上たかし著「星守る犬」「続・星守る犬」
親が映画を見たので、買った原作本。人が死ぬ話をイイハナシと呼ぶのは難しいですが、犬がどこまでいっても従順でよかった。続編の方は、前作のあのときのこの背景がこれか!と、安心しました。でもみんな「おとうさん」とハッピーが死んでるのを知らないんだと思うと大変悲しい。

文学酩酊日誌<2011年7月13日>
平野啓一郎著「かたちだけの愛」
事故で片足を失った女優のため、義足をデザインする話。読んでいて足が痛くなった。久美子の性格がもうちょっと良かったら足があんな音にはならなかったろうに。年齢の割に言動がどうも、ちぐはぐに感じました。

高橋由太著「もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ」
オサキも強いけれど主人公もしっかり強い。登場人物がちゃんと印象に残るキャラクターたちで、読んでいて面白かった。表紙は可愛いけれど、結構人が死にます。

柴崎友香著「ビリジアン」
何があって主人公が殴られたんだとかあまり分からなくて、どうも、好みじゃなかったです。共感することも出来ず正直つまらなかった。

遠野渚著「ウチの妹がここまでMなわけがない」
どうも、文章が砕けすぎている気がします(二回言いました、とか、○○ですね、分かりますとか)。兄ちゃんと一線越えるまでのほうが面白かった。いつ表紙のシチュエーションになるのかわくわくしていたのですが、そんなことはなかったぜ!侘しい。

有川浩著「阪急電車」
たまたま同じ車両になったところから、友達になるのがとても羨ましい。結婚式の復讐も読んでいてスカッとしました。映画版もいずれ見たい。でも毎度毎度あとがきが邪魔。

三浦しをん著「天国旅行」
「死」がテーマ。心中の話は一部だけなのでがっかり。中途半端な時代物がはさんであって、いまいち。死んだ彼女の話はもう少し掘り下げて読みたかった。

椎名誠著「ずんが島漂流記」
日本人+島の現地人3人(うち1人は女)で、新しい島を目指して冒険物語。最後に「これは僕のおじいさんが〜」という文章が出てくるのが、本当なのかな…。

今回はこんな感じ。あと、漫画「蒼天航路」を34巻まで読みました。大概劉備が好きなんですが、この中では軍師が好きです。

文学酩酊日誌<2011年8月24日>
奥泉光著「シューマンの指」
音楽用語が分からないので置いてけぼりで、さらに一人興奮する主人公(ああ!これは××なのだ!など)に冷めて、楽しめませんでした。ミステリーを読んでいるのか薀蓄を読んでいるのか。ラスト20ページが!というコピーが気になって、惰性で最後まで読みましたが全部台無しにされてがっかり。

水原秀策著「サウスポー・キラー」
左投手がやたら事件に、というミステリー。面白かった。話は解決したものの、アレが逃げたのは納得いきません。そこだけ残念。

瀬尾まいこ著「おしまいのデート」
玉子丼の話が一番好き。ほのぼのして、いい終り方の話が多くてよかった。人が死ぬのは悲しいけれど…。

窪美澄著「ふがいない僕は空を見た」
図書館にて、普通に並べられていたのでR-18とは知らずに読みました。もっとエロくても良い。斎藤君はいい子なので松永にはもったいない。帯に書いてある、店員の話は浮いている気がします。

湊かなえ著「告白」
こういう復讐もあるんだ!?というのが、素直な感想。中学生の動機が痛すぎる。DVD見たい。

三崎亜記著「コロヨシ!!」
「架空」のものに対して、ちゃんと頭の中に浮かべば面白いと思う。その辺ついていけなかったので、私にはあまり…。独特の世界観や設定が多いので、挿絵の多いライトノベルにしたらいいのに。

北村薫著「飲めば都」
酒が飲みたくなる。各登場人物が個性的で楽しい。後半は「あれから1年」と時が流れすぎていて、もうちょっと詳しく読みたかった。結婚式についての女子の会話が、とても60歳のおっさんが書いたとは思えない。すごい。

天童荒太著「悼む人」「静人日記」
死ねばみんな「いい人だった」というのをこの本の中でも感じました。愛し愛されと言うのは、いいものだなとも思う。でも親の死に目には会って欲しかった。お母さんがかわいそうでそこだけ残念。2作目は良くも悪くも日記。前作で出てきた倖世の話は出てこない上に、ほかの女とくっつきそうではらはら。主人公と同じ「悼む人」が増えたらな、とも思う。自分には大切な人が亡くなった感覚がないので、なれそうにないです。

真藤順丈著「地図男」
要所要所は興味があるんですが、全体的で見ると何だかよく分からない話でした。最初の子供の話も後でとってつけたように追加されるだけのような。文章がラップやってる人っぽい。

椎名誠著「風のまつり」
仕事で来たのに島の選挙に巻き込まれててんやわんや。そんな話でした。

吉田修一著「元職員」
みんな悪者。主人公は殴られててよかったような、すっきりしないような。これといい、上の「シューマン」のも100周年書き下ろしの企画から刊行されたようですが他のこそは楽しめるだろうか。

新堂冬樹著「悪虐」
何で読んじゃったんだろうという後悔。どうしようもない暴力の合間に「俺は君といて幸せだ!君を守るんだ!」というのが挟まっていて、どっちつかずになりました。最愛の人を殺す悪魔になるため他の人を…って、巻き添えで暴力受けた人がかわいそう過ぎる。でもその中の、わさびとからしを突っ込むプレイは別の意味で興奮したのはここだけの話。

伊集院静著「いねむり先生」
先生とボクの関係がとってもよかった。一緒に旅行へ行こうとといってずっと待っていた話など、先生が可愛い。先生の「この人は私のともだちですよ」と言う台詞に涙ぐみそうになる。

京極夏彦著「虚言少年」
原田宗典のエッセイに出てくる小学生たちみたいな話。面白い。とっても面白い。少年はいつの日も馬鹿。最終話は今までのネタがきいていて声に出して笑いました。京野君が好き。この3馬鹿で中学生編が見たい!

野中柊著「参加型猫」
引越ししたというのを引っ張りすぎでぜんぜん前に進んでない。あまり興味も持てないまま読み終えました。言うほど猫は出てきません。がっかり。

飲茶著「史上最強の哲学入門」
噛み砕いてわかりやすく書かれているので、大変読みやすかった。バキは知らないけど前書きとエピクロスの話が好き。

桂望実著「ハタラクオトメ」
「男会社」の中の女が、女だけのチームを作って商品開発したら?の話。もしドラの亜種に見えないこともない。でも登場人物はみんな魅力的でした。

大森兄弟著「まことの人々」
主人公の彼女が演劇部で人間のくずを演じることになって…という話。全体的に好きになれませんでした。こんな面倒くさい女と付き合ってどこがいいんだ。もうちょっと可愛い部分・好きな部分が見たかった。

柳雪花著「幼獣マメシバ(上下)」
ドラマよりも詳しく「じんじゃーまん」の話が書いてあって面白い。4コマもついてお買い得。あの映画がたった3章で濃縮されて驚き。とても面白かった。人も犬も、良い。


文学酩酊日誌<2011年10月18日>
重松清著「ポニーテール」
独特の価値観などがあって「一人ぼっち」のマキと、そんなおねえちゃんと仲良くなろうとがんばるフミが読んでいてつらかった。あとフミのお父さんももうひとつ。家族が上手くいかないのはわかるけれど、どうも好きになれなかった。

小川洋子著「人質の朗読会」
小さな起承転結の話が連続。大きな事件がとか劇的な展開が!というのはなく、淡々としていて読んでいて静かな気分になりました。

綿矢りさ著「蹴りたい背中」
気になる子の困った顔が好きだったり、苦しがる顔が好きというのはなんだか分かる。絹代なんてそっちのけでもっとにな川との部分が読みたかった。「月光の囁き」っぽいのかと思ったらそうでもなかった。

金城一紀著「レヴォリューションNo.0」
安定した面白さ。すぐ読み終えてしまいました。完結といわず、ずっとこのシリーズ書いてほしい。瞬臣と最弱の山下が好きです。「絶対落ちるから受け止めてね」「一度死に掛けると何でも美味しいよねえ」の山下が可愛すぎる。

本谷有希子著「乱暴と待機」
愛憎。映画も見たい。

寺田貢著「漱石を治せ―タイム・スリップト・ドクター」
タイムスリップして、歴史上の人物とあれこれ、という話が好きなので読みました。いろんな可能性があるものの、漱石文学が読める現在がいい。

宮藤官九郎「タイガー&ドラゴン(上下)」
脚本と落語の本。ドラマを見ていたのでいろんな場面が浮かんできました。またやってほしいな…。

中島らも著「酒気帯び車椅子」
暴力的なのに、面白かった。でも嫁が暴行受けている場面はつらくて読むのに困った。読み終わったあとで「この本には矛盾が〜」という注意書きを見ました。どこが矛盾か気づかなかった。

タナダユキ著「ロマンスドール」
「私を作って」のあたりから涙腺緩んでしまいました。久しぶりにぼろぼろ泣いて読んだなあ。よい話でした。ただ、夫が人形とキスをするのは「明日のロボット」でも見たような気がしたなぁと思ったり。浮気だけはするまい。したらだめだ。

清水義範著「読み違え源氏物語」
源氏物語をモチーフにした短編。実は原典のほうは興味あるけど読んだことがないので、読んだあとにまた読みたい。

中場利一著「リョーコ」
途中までは昭和の中学生は純なんだかどうだかよくわからない初々しさがあって、読んでいるこっちもうらやましくなった。後半はリョーコにDVっぽいことをやっていて、父の遺伝がしっかり継がれているチュンバが悲しい。

みうらじゅん著「SLAVE OF LOVE」
「一生奴隷です」といわれて自分がそのままM子のご主人様になった話。熱いけど痛々しい。恋愛じゃなくて支配。

朱川湊著「本日、サービスデー」「赤々煉恋」「銀河に口笛」
短編だとなおさら「世にも奇妙な物語」感が…。「本日〜」は全体的にいい話でよかった。「あおぞら怪談」が好き。「赤々煉恋」は怖い話の短編集。死体写真の話は、途中まではよかったんだけど…。「銀河に〜」は僕と君とスコシフシギ。こういう、少年探偵団のような子供時代を送ってみたかった。

竹本健治著「キララ、探偵す。」
お約束ないけてないけど人望は厚いモテモテ主人公とロボットのキララ、その周りの面々。文庫で出版したほうが良いんじゃないかと思う。キララが好きなので、裏の人格・クララがでしゃばると、ちょっとうーんってなりました。

清水義範著「首輪物語」
いろんなパロディが詰まっていて大変面白かった。指輪〜も犬種に詳しくないんで何度も表紙を見ました。

中場利一著「純情ぴかれすく―その後の岸和田少年愚連隊」
喧嘩に明け暮れている作者がどうして小説家になったのか、その動機が描写されていて納得しました。宝石店で働くエピソード(彼女「人のものとったらダメ」母「お前は、夜空の星が一つかけてても気づくか?」)が面白い。

垣谷美雨著「竜巻ガール」
シリアスな1話を除いて、あとはコミカルだったので面白かった。

嶽本野ばら著「下妻物語・完―ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件」
相変わらず文章の節々が面白くて楽しい。完結編といわずその後編もやってほしい。あと映画化も…。

金城一紀著「SPEED」
今回は女の子が主人公なので、いつもの「アギーになら抱かれてもいい」がなくてちょっと残念。ぜひゾンビーズ沖縄旅行編もしてほしいところ。男前精神の瞬臣とイケメンハーフのアギーに挟まれて、なおかつ前と後ろに南方と山下がいる佳奈子の状況がうらやましすぎる。

朱川湊著「都市伝説セピア」
公園と河童の話は大体オチが読めたものの、それでも怖かった。そしてどれも面白かった。

重松清著「ブルーベリー」
全体的にハッピーエンドが少ないけれど、でもそれほど悲しいとかつらいということもない本。冒頭で18歳だったのが途中で40歳になってからの思い出話になって、ばらばらであいまいな感じが良かった。

大山のぶ代著「ぼく、ドラえもんでした。」
ジャイアンの「のび太の癖に!」が生まれた背景を始め、いろんな裏話が面白かった。今の人ががんばっているのは分かるけれど、やっぱりこっちのドラえもんが好きだったなあ…。ぜひ長生きしていただきたい。

酒見賢一著「泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部」
3部が待ち遠しい。劉備がいかに動かないかがよく分かりました。「残酷な天使のように神話になれば良いじゃないですか」「ぐんしーする」部分が特に面白かった。著者のつっこみが多くて楽しい。

あとは「タンタンの冒険旅行」シリーズをちょくちょく読んでいます。タンタン可愛い…。

文学酩酊日誌<2011年12月21日>
芦原すなお著「カワセミの森で」
二作目らしい。途中から読んでしまった。主人公の癖としゃべり方が独特でした。内容はミステリー。結構短い間にたくさん死ぬ。別荘についてきた子まで死ななくてもねえ…。

大倉崇裕著「オチケン!」
主人公は振り回されすぎて、なんだかヒロインみたいに思えてくる。名前を略すと「オチケン」だから、と強引に落語部に入れられてしまう。登場人物がみんな「こてこてのキャラ」。続編「オチケン、ピンチ!」は途中で止めました。

朱川湊著「超魔球スッポぬけ!」
あんな小説書いている人がこんなエッセイを…とギャップにびっくり。どの話も大変面白かった。「もし某野球漫画で、最後の一投げ失敗したら笑いが止まらん」などの妄想部分がもっと読みたかった。

団鬼六著「最後の浅右衛門」
初団鬼六。首切りの話がメインなのでエロ<バイオレンスでした。堺事件のことは知らなかったので興味深かった。

赤塚不二夫著「これでいいのだ」「吾輩は猫なのだ」
あけっぴろげというか、ざっくばらんというか…。前者のほうは極貧生活をしていた幼少から漫画家になるまでの自伝で、後者は猫の視点で出世の安定した頃が書かれてるので大変面白かった。

あとは相変わらず「タンタンの冒険旅行」シリーズを読書中。タンタンが格好良すぎる。惚れる…。
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