文学酩酊日誌
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文学酩酊日誌<2007年3月17日>
井上剛著「マーブル騒動記」
牛が突然意思と人権ならぬ牛権を持っちゃった!という騒動記。
ある日いつかしゃべることも考えることも出来なくなる、とおびえる牛・モー太郎に同情。因みにこのマーブルというのは、霜降りの模様のこと。「高貴な実験(ノーブル・エクスペリメント))」という単語も格好良い。
最後、主人公の元にやってきた牛が何を言いたかったのか気になる。

花村萬月著「守宮薄緑」
エロとバイオレンスが詰まった短編集。割とえげつないところも書かれてあるのでちょっと…。sかMかを試すためにリップクリームを尻に突っ込むのは面白かったです。

諸田玲子著「鬼あざみ」
盗賊に恋する悪女にそそのかれた若者がどうのこうの。女の昼ドラ的な展開も面白かった。

池永陽著「殴られ屋の女神」
力強く殴られると、その瞬間ある女の人が見える。そんな殴られ屋の主人公と、それを取り巻く痛々しい話。虐待とリストカットと、なんか血の気が多くて読んでいて体が痛かった。

増田こうすけ作「増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和」4巻まで。
1巻は買って失敗した感をちょっと持ってしまったのですが、話が進むにつれ面白くなってきたのでよかった。3巻の「死んだ私とアマンダさん」がお気に入り。でも松尾さんと曽良くんもお気に入り。特にドSの方。

久米田康治作「さよなら絶望先生」7巻まで。
勝手に改蔵と作風がダブるものの、出てくる女の子の可愛さにクラクラ。
アニメ化は本当なんでしょうか。あと、ファンサイト探してたら先生受けが多いのでなんだか面白かったです。同じね!?

文学酩酊日誌<2007年4月9日>
平安寿子著「あなたがパラダイス」
更年期障害に振り回されるいろんな女の人の話。作者がそうなのだろうけど、主人公みんな沢田のジュリーが大好き。ジュリーがいれば人生大丈夫。個人的に私はサリー(岸部のおじさま)のほうが好きです。
いろいろハプニングも交えつつ、最終話でみんながジュリーのライブで集まっているのはいい感じがします。更年期かぁ。まだ考えたくないなあ。でも女の宿命らしい。心せねば…。

中島らも著「君はフィクション」
らもの亡くなった後に出てきた話とその他をまとめた小説集とのこと。異形フェチではないので、この手の話はえぐかったです。四肢切断プレイはか、勘弁。無理です。
でももうこの人の新作って読めないんだな。そう思うと切ない。って、全集読んだわけじゃないけど。お父さんのバックドロップが猛烈に読みたいです。探してはいるのに。

谷川俊太郎著「詩人の墓」
天才的な詩人は詩を作ることしか出来ない。詩の話しか出来ない。娘に詩をささげる、の描写が好きです。その詩人と、彼に恋する娘の二人の会話がとても苦しかった。さすが谷川俊太郎。畏敬。

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