文学酩酊日誌
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文学酩酊日誌<2006年9月5日>
海野弘著「江戸まぼろし草子」「江戸妖かし草子」
江戸時代の書物とか記録に残っていたものをヒントにして描かれた短編集。どの話も読みやすくて分かりやすい。人情っていいなぁ。

五木寛之著「愛に関する十二章」
いわゆる考察と自論。性愛の章のポリネシアンセックスが非常に興味深い。むしろ、や、やってみたい…!

川崎洋著「日本の遊び歌」
懐かしい!っていうやつと、地区によって違うんだ!しらなかった!の三種類が見つかりました。囃し歌の「♪男の中に女が一人」は小学校低学年までやっていた気がする。鬼遊びの「とんとんとん何の音?…あーよかったー」、「あぶくたった煮え立った」も非常に懐かしい。
余談ですが、じゃんけんは「じゃんけんホイ」の地区です。

荻原浩著「あの日にドライブ」
ついかっとなって銀行辞めた中年がタクシーの運転手をしながら、もうひとつの学生時代や結婚生活を妄想する話(分かりやすい!)。あの時恋人と別れなかったら…仕事を続けていたら…銀行員ではなく運転手ではなく、雑誌の編集部に入っていたら…今頃!
ここでいう、学生時代に付き合っていた女は美人だったけど思えばあんまり性格知らなかったなあ、また会いたいなぁ、というのが寂れた中年くさくてよかったです。私も、そう思わせるような女になりたい!

新堂冬樹著「天使がいた三十日」
素敵な話だったのでびっくりした。最愛の嫁を亡くして、嫁に似た犬とであって、また主人公が追いかけていた夢をもう一度始める再生の話。こういう嫁みたいな人に私もなりたいなぁ。

中野順一著「セカンド・サイト」
キャバクラ嬢の通り魔殺人を軸に、未来が見えるキャバ嬢花梨に惚れたボーイのタクトががんばる話。展開が二時間ドラマみたいでした。絶壁シーンがビリヤード。

長嶋有著「猛スピードで母は」
以前からタイトルが気になっていた本。読めてよかった。
幼少時に親が離婚とか愛人がやってくるとか、そういうのに縁がない暮らししててよかったなぁ。そういう暮らしをしていた人が身近にいないので、機会があったらちょっとお話ししてみたい。

文学酩酊日誌<2006年10月25日>
畠中恵著「うそうそ」
若旦那旅行をするけどさらわれて病気が悪化するの巻。二人の兄ぃが裏でがんばっていて活躍しないのが残念。個人的に屏風のぞきが好きなので次はもっと出て欲しい。

夢枕獏著「黒塚」
長い。長すぎて途中で止めようかと思った。行間詰めてくれたらいいのに…。吸血鬼で不死身になって、だけど記憶があいまいで。後半の展開が「ジョジョの奇妙な冒険一部」の展開に感じて妙にさめてしまいました。

天童荒太著「包帯クラブ」
心が傷ついた場所に包帯を巻くことで、なんだか救われる…。そう気付いた4人がみんなのために包帯を巻いていく話。主要人物が高校生だからか、感覚についていけない。歳か。

甘詰留太著「年上ノ彼女」3、4巻

ほとんど2巻で努くんのトラウマや不能問題が解決したため、めちゃくちゃラブラブ。ラブホ行ったり、キスが二週間できなくて廊下で押し倒したりとか濃厚でご馳走様。嫉妬するアゲハさんも可愛い。胸の大きい女に誘惑されたときにきっぱり言う務くんへの「言うようになったなぁ…」「努くんキャラ変わったねェ…」の突っ込みに笑いました。4巻からまた話の展開が変わりそうでこの先に期待。
G=ヒコロウ著「みんなはどぅ?ZONBIE」
後半がほとんど下ネタ漫画だったのでびっくりしました。でも両手が変な男の子の話は道満先生の描く寂しい話に似てる。

あと、「20世紀少年」も立ち読みで何巻か読みました。ヨシツネがいいなぁ。老いた彼が少年時代の自分似合うところは目頭が熱くなりました。

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