文学酩酊日誌<2006年6月12日> 奥田英朗著「サウスバウンド」 父さんが実は伝説の過激派。税金払わん!とかもめて沖縄へ行く話。一部(東京編)二部(沖縄編)で、どちらかというと一部のほうが好き。不良な友達の更生が出来てよかった。この復讐シーンがとても好き。 金子光晴編「日本恋愛詩集」 与謝野晶子の「東京にて」が大変よかった。「人並みならぬ恋すれば、/人並みならぬ物おもひ。/其れも私の幸福と/思ひ返せど気が滅入る。」の部分など、恋に狂って一人疲れる描写がよかった。しんどいのは何だか分かる気がする。 大谷晃一著「大阪学」 「好きやねん」は「すっきやねん」がしっくり来る!の話に納得。でも後半は大阪の歴史の話だったので残念。きつねうどんが無性に食べたくなる。「たぬき」といえば、てんかすと蕎麦のことだと思ってました。 山崎えり子著「発想転換のススメ」 成功した人はええよねぇ。さぞよかろうねぇ…。 小林司著「入門こころの科学」 他人の心知る前に自分が分からないんだ!という事実。でも前向きになろうと自分ひとり奮い立たせていきます。 朱川湊人著「わくらば日記」 心優しく自愛に満ちたおねえちゃんには実はとある能力があったのです…!というのを話に絡ませながらの人情話。おねえちゃんの初恋編は切なくなりました。 佐藤賢一著「褐色の文豪」 アレクサンドル・デュマの生涯を書いた話。やっぱり「なんとなれば」が出てくるとつい苦笑してしまう。話の大筋は、黒い悪魔の異名をとるデュマパパの息子が劇作家になる話。この田舎者のデュマが底抜けの楽天家でアホで女たらしで、でも天才なのが面白かった。 少年文芸vol2 星野さんの「くるくるパー子」とあと3つの小説と漫画しか読んでない。「性的少年」がなかなか面白かった。 それにしても、誰も言わないなら私がはっきり言ってやる、素人の詩なんか読みたくない。このカストリ雑誌め! 立ち読みでエッセイ漫画「ハニー×ハニー」も読みました。レズビアンの人の話。ほのぼのでした。ただ、「ビアンの人には何となく他の人もノン気かビアンか分かる」というのがあって愕然。ももももももし私も知らずのうちにビアンですビームとか出していたらどうしよう。驚愕。 <2006年6月24日> 太宰治著「ヴィヨンの妻」 色々入ってて面白かったです。 押川国秋著「勝山心中」 いろんなことがあって遊女になった勝山太夫とその周りの人の話。みんな死ぬんで悲しかった。 渡辺淳一著「わたしの女神たち」 エッセイ。新人の頃にやった手術の内容描写がえげつなくて足の力が抜けました。中絶9回しても女って丈夫なんですね。 三砂ちづる著「オニババ化する女たち」 何はなくとも情事、女よ早いうちに子供を生め!負け犬とは、「金稼ぎに秀でた優秀な人のなれの果て」だから、自分と比べるな!比べる前から君は負け!といわれている気がしました。読んで悲しくなった。 前川つかさ著「大東京ビンボー生活マニュアル」文庫版の5。最終巻。 以前1〜4巻を借りてこつこつ読んでいました。それが終わるというと何だか悲しいものです。この話のコースケたちが食べている絵が非常に好きで、わたしもお腹がすきます。 G=ヒコロウ著「不死身探偵オルロック完全版」 「君は今までに別れた男の数を覚えているのか?」で爆笑したので購入決定。ハイテンションで面白かった。 |