3月14日までの文学酩酊日誌


二週間の文学酩酊日誌<2005年3月14日>
清水義範「ビビンパ」
読みやすいのでしょっちゅうこの人の本を読んでいることが判明。
パスティーシュは楽しいなぁ。猿取佐助とか、とても面白かった。


石田衣良「アキハバラ@DEEP」。
あんまりにもオタク度濃すぎて出足はうんざり。
「ミーはメイド喫茶に行きたいのでござる。えへん☆」みたいなオタクの集まりがネットで世界を動かしてしまうというか、まあ、大雑把に言えばそんなもん。
でも読み終わったあとは「やるなぁ、オタク!」みたいな。読後感は、いいですよ。
ところでアキハバラデパートとか表紙・裏表紙の写真の場所とかになじみが出てきていた自分に、ちょっと涙(片手で数えられないぐらい行ったことがあるのだった)。もう行かない。


坂口安吾「肝臓先生」
収録の「ジロリの女」がものすごくいい。延々「私はあなたの下僕です!」とか口説かれたい!
出てくる女はみんな気だるさが漂っていたりするけれど、男が熱心に口説いたりするから変わっていく。その辺の過程とか描写、台詞が素敵。

筒井康隆「にぎやかな未来」
どういう意味のにぎやかなのかは読んでのお楽しみ。短編だらけでとても読みやすかった。

芦原すなお「ミミズクとオリーブ」
ぼくの「奥さん」が事件を推理するプチミステリー小説(と解釈していいのか)。素朴な夫婦生活にあこがれます。蛇足ですが、夜のシーンあればよかっ・・・あ、嘘、嘘です。

奥田英朗「真夜中のマーチ」
伊良部先生シリーズしか読んでなかったので、手始めに。癖のある人物ばかりで、親しみは持てる。登場人物はミタゾウが一押し。途中から出てきたクロチェがいいとこ取りなので悔しい。ヨコケンが可哀想だ。話は泥棒の話というかなんと言うか。

川島誠「ロッカーズ」
伝説のロックバンドの回想話。痺れる。メンバー結成と音楽にのめりこむところ、そして途中から仲たがいが始まって・・・というまで。ネタバレなんだけれども、もちろん登場人物は架空。なのに「君も知ってるだろう、あのアルバムの一曲目は・・・」という語り口をする。ちょっと錯覚してしまう当たりがこの人の手なんだろう。
あと、音楽に詳しい日本人は外国の歌を聞く、という文がちょっと某氏を思い出して悔しい。解説が「青春デンデケデケデケ」の作者芦原すなお(!)でまたよかった。

番外編で最近読んだ漫画「ちょっとHに教えて!先生2」。
収録してある話全部よかったですよ。先生×優等生とか師範×弟子、漫画家×格闘娘などがツボでした。ギャグもよし、エロもよし。というか先生ジャンルが好きだから無条件でお手上げ。

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