約二週間の読書感想文

* 約二週間の読書感想文 *<2005年1月11日〜24日>

   新堂冬樹「背広の下の衝動」
   てっきり痴漢でもした中年の話かと思っていました。
   収録「団欒」は、サザエさんの悪マスオさんの視点から見た話で面白かった。
   婿養子じゃないのに肩身が狭いマスオさんって、ストレス溜まるだろなぁ…。

   清水義範「江勢物語」
   パスティーシュと飛躍した古文の現代語訳が楽しい。
   収録「スノーカントリー」は、高校生が川端康成の「雪国」の英語訳してあるものをまた翻訳したせいでめちゃくちゃになっている話。
   後半の旅行記は、ちょっともう一つ。

   同上「蕎麦ときしめん」
   景山民夫の解説兼「果たし状」まで面白かった。
   個人的に麻雀をかじっている身なので「三人の雀鬼」がお気に入り。

   同上「バードケージ」
   これはマジメな長編ストーリー。
   「一億円を楽しく使ってください」といわれ、話が広がってネパールに学校を!という流れになったのはよかった。
   夢があるっていいなあ。金ってのはありすぎても困るんだなあ。

   野火迅「子供に語ってみたい日本の古典怪談」
   最高。
   知らなかった話が多数あって、読みではばっちり、かつ為になる。
   とくに「かさねが淵」における因縁のつながりとか、すばらしい。落語版を聴いてみたい。
   あと、解説に「ぼっけえ、きょうてえ」のタイトルがでたのは嬉しかった。

   奥田英朗「イン・ザ・プール」。
   「空中ブランコ」の前身。なのにどっちを読んでもすんなり飲み込める。
   そうか、伊良部先生はマザコンでてんびん座のB型で、バツイチなんだな…。
   愛嬌たっぷりで本当、この先生憎めない。
   それはさておき収録「フレンズ」における孤独と焦燥感は理解できる。
   でも「友達の輪に入りたくて携帯依存になるぐらいメールして小遣い全部最新CDにつぎ込む」というのは、やだな。
   媚びたくはない。


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